人を動かす 感想①

「人を動かす」はデール カーネギー 氏の記した、人間関係の原理を記した文章だ。

自分は「人を動かす 文庫版」を呼んだため、山口博 氏が訳したものを読んだ。

文章も読みやすく、著者の例も含まれていることが多いので、文章の意味を想像しやすい。

目次
PATR1 人を動かす三原則

1 盗人にも五分の理を認める
2 重要感を持たせる
3 人の立場に身を置く

PART2 人に好かれる六原則

1 誠実な関心を寄せる
2 笑顔を忘れない
3 名前を覚える など

PART3 人を説得する十二原則

1 議論を避ける
2 誤りを指摘しない
3 誤りを認める など

PART4 人を変える九原則

1 まずほめる
2 遠まわしに注意を与える
3 自分の過ちを話す など

人を動かす

重要感を持たせる

この「重要感を持たせる」という意味は、「話に対して重要感を持たせる」という意味ではなく、「その人の重要感を持たせる」という意味だ。

すなわち、「相手の存在を認める」というわけである。

二十世紀の偉大な心理学者ジグムント・フロイトによると、人間のあらゆる行動は、二つの動機から発する――すなわち、性の衝動と、偉くなりたいという願望である。

どんな人でも、「有名になりたい」「人に認められたい」という願望は持つものだ。

しかも、その願いはインターネットが発達したため、現実味を帯びる願望になってきている。

戦国時代や江戸時代に「有名になりたい」と思っても有名になれるルーツがないので、諦める人も多かっただろうが、今ではどんな人でも、全世界に向けて自分の存在を知らせることができる。

ブログやYouTubeなどが、それに値するのだろう。

こんな時代だからこそ、昔の人よりも現代の人のほうが「偉くなりたい」という気持ちは強いのではないだろうか。

話を戻すが、今の時代の人が「有名になりたい」という気持ちを持っていて、自分たちが相手と良好な関係を築きたいなら、相手の重要感を持たせるのがいいだろう。

そうすれば、相手からも信用され、話も進めやすくなるはずだ。

しかし、その重要感を認めさせる方法は人によって様々だ。

自己の重要感を満足させる方法は、人それぞれに違っており、その方法を聞けば、その人物がどういう人間であるかがわかる。自己の重要感を満足させる方法によって、その人間の性格が決まるのである。

ただ相手を誉め続ければ、相手の重要感を満足させられるわけでもない。

人によっては、自分の誉める以外のことが自分の重要感を認められることだったりする。

  • 誰かを助けること
  • 何かに勝つこと
  • 病気のときに優しくしてもらえること
  • 何かを成し遂げたこと
  • 好きな人に誉めてもらえること
  • 相手に畏怖の目で見てもらえること
  • すべての人が自分の知っていること

など、さまざまだ。

相手の「自己の重要感を満足させるもの」が分かったとき、相手の重要感を満たすことに成功するのだろう。

ただし、お世辞と賞賛がまったくの別物、だということも記されている。

お世辞と感嘆の言葉とは、どう違うか?答えは、簡単である。後者は真実であり、前者は真実ではない。後者は心から出るが、前者は口から出る。後者は没我的で、前者は利己的である。後者は誰からも喜ばれ、前者は誰からも嫌われる。

しかし、このような文章を見たところで、意識して相手を本心から認めることは難しいだろう。

そんなときは、相手の長所、良いところを考えてみてほしい。

どんな人間だろうと、なんらかの長所はあるはずだ。

仕事ができない人がいたとしても、料理や掃除が得意という長所があったり、勉強ができない子供でも絵やゲームが上手という長所がある。

確かに、このような長所は、売り上げを気にする上司や子供の成績を気にする親から見れば意味のない長所だ。

しかし、だからといって、その長所を認めるどころか長所を否定していれば、その人の成績も悪くなるばかりだ。

そういった、他の人はなかなか気づかない、あるいは気づいていても口にしないことを言うのが相手を認めることではないのだろうか。

人の立場に身を置く

これは、「相手の立場になって、その人の好きなこと知る」という意味になる。

相手の好きなことが分かれば、自分の進んで欲しいことに事を勧めるのも容易になるのだ。

だから、人を動かす唯一の方法は、その人の好むものを問題にし、それを手に入れる方法を教えてやることだ。これを忘れては、人を動かすことはおぼつかない。たとえば、自分の息子に煙草を吸わせたくないと思えば、説教はいけない。自分の希望を述べることもいけない。煙草を吸う者は野球の選手になりたくてもなれず、百メートル競走に勝ちたくても勝てないということを説明したやるのだ。

これは、本当に上手い文章だ。

確かに、ただ説教をしても息子は親の言うことを聞くわけではないし、この親が説教をしてもなお自分がタバコを吸っているのなら、息子は絶対に親の真似をしてしまうだろう。

子供は親のやることを参考にしているものだ。

だから、例え説教されても、「でもパパやママも吸ってるよ」と思われてしまえば、それで終わりだ。

しかし、息子が将来の夢を持っている場合、それを対象にしてタバコの恐ろしさを伝えればいい。

そうすれば、息子は「タバコを吸ったら野球選手になれなくなる!」という、大人とは違う恐怖を感じるはずだ。

仮に、親がタバコを吸っていても「パパはタバコを吸っているから野球選手になれなかったんだ」と感じるにちがいない。

もちろん、このパターンで親が野球選手だったら息子は話を信じないと思うので、親が野球選手の場合は、サッカー選手など、違う職業に変えるのも一つの手だろう。

今の時代なら、

  • YouTuber
  • プログラマー
  • ゲームクリエイター
  • ライター
  • イラストレーター

などの職業に変えてもいい。

人を説得して何かをやらせようと思えば、口を開く前に、まず自分に尋ねてみることだ。――「どうすれば、そうしたくなる気持ちを相手に起こさせることができるか?」

この文章の言うとおり、相手を批判する前に、

  • どういうふうに切り出すか
  • どう話をつなげていくか
  • どのような言葉を言うべきか
  • 相手の趣味はなにか
  • 相手のもっとも嫌いなものは何か

などを考えておけば、話も進めやすくなる。

加えて、予め何を伝えるべきかを考えておけば、会話中に感情的になることもなくなる。