ローソンの企業分析

みなさんご存知のローソン。コンビニ業界の中でも売上2位を獲得しているほど、大手のコンビニとして運営されています。

ローソンの企業理念は、「私たちは”みんなと暮らすマチ”を幸せにします。」

現在(2021/06)の代表取締役社長は竹増 貞信氏で、元三菱商事の業務秘書です。ローソンの親会社が三菱商事のため、協力も得やすいかと思います。

最近のローソンでは、アニメ「鬼滅の刃」の一番くじもされていますね。

鬼滅の刃のエコバッグが販売されたり、オリジナルブロマイドが購入できたりと、コラボにも積極的に関わっています。

そんなローソンの事業をまとめ、今ローソンがどこに向かっているのかを調べてみました。

※投資歴1年の素人が書いたもので、正当性を保証するものではありません。最終的な判断は自己責任でお願いします。

ローソンの儲け

ローソンの過去とライバル

ローソンは1975年に設立されてから、どんどん店舗を出店していきました。

2007年2月期では総店舗数は8,855店舗(国内8,564店舗、海外291店舗)でしたが、2021年2月期は国内総店舗数は14,503店舗と約1.5倍も出店しています。

昔は今のようにコンビニもありふれたものではなく、スーパーマーケットやドラッグストアも開店時間が短かったので、コンビニに行く人は多かったのですね。

さらに、ローソンは1977年の4月から24時間営業が始まっています。加えて、第2次ベビーブームで人口は増加していました。

そのため、当時は「残業で12時すぎて帰るのが遅くなった。お腹減っているけどどこもやってないからコンビニでおにぎりとカップラーメンを買って帰ろう」と思う人が多かったのです。

そういった20~30代男性のお客さんという、働き盛りの人をターゲットにしていたので、商品も売れやすかったのですね。

実際に、2007年はコンビニ業界全体が積極的な出店を継続し、ローソンも約200店舗と大きく出店していました。ただ海外の出店数が8店舗ときわめて少なかったのも、ローソンが海外出店に消極的であった、ということが伺えます。

ローソンを展開すればするほど地域の人に認知され、ファンが増えて、物も売れやすくなる、という好循環もあったでしょう。

つまり、新規出店すれば売れる、という時代でもありました。

ですが、2005年頃からスーパーマーケットやドラッグストアなどの他業種がライバルになったことに加えて、男性をターゲットにする、といったビジネスモデルが通用しなくなってきました。

そこで、ローソンはそれをきっかけに女性に向けた商品を開発。ちょうど2007年ごろには、ローソンストア100の商品をローソンに導入する、という取り組みもされました。

そういう経緯があるからこそ、今のナチュラルローソンやローソンストア100があるのですね。

ローソンの構成比

ローソンのセグメント構成を一番占めているのは、なんと言っても国内コンビニエンスストアです。

2021/02時点で以下の構成になっています。

売上高
コンビニエンスストア 62.4%
成城石井 15.2%
海外 9.1%
エンタテインメント関連 8.6%
金融関連 4.7%

コンビニエンスストアはもちろんですが、スーパーの成城石井が15%とそこそこ売上高を占めていますね。

この国内コンビニエンスストア事業のなかでの売上高のセグメントは以下の通り。(2021年2月期第3四半期)

2020年3月1日~2020年11月30日
加工食品 54%
ファストフード 21%
日配食品 16%
非食品 9%

商品の内訳は以下の通り。

  • 加工食品…飲料・酒類・たばこ・加工食品・菓子 等
  • ファストフード…米飯・麺・調理パン(サンドイッチ等)・デリカ(パン、サラダ等)・ファストフード等
  • 日配食品…ベーカリー・デザート・アイスクリーム・生鮮食品 等
  • 非食品…日用品・本・雑誌 等

やはり、加工食品が売れています。

ローソンは健康志向の食べ物も積極的に販売されているのでファストフードも売れていますね。

ローソンの稼ぎ方

ローソンの稼ぎ方といえば、差別化戦略があてはまるのではないでしょうか。

例えば、

  • 独自の店舗
  • 健康志向の食料
  • 低等質のパン
  • スイーツの開発

など、他のコンビニがおこなっていないことを真っ先に行うのが、ローソンの特徴ともいえます。

ローソンの戦略「独自の店舗」

コンビニといえばセブンイレブンが有名ですが、ローソンは別方面にビジネスを広げている印象が強いです。

例えば、

  • 健康特化のナチュラルローソン
  • 生鮮食料品を提供するローソンストア
  • シニア向けのローソンプラス
  • ローソンストア100を進化させたローソンマート

など、独自の店舗を次々と展開しています。

「ローソンストア100」では生鮮食料品を、「ナチュラルローソン」では健康志向の強い客層にあった商品を並べるなど、店舗こそ少ないですが、今の時代に適しているといってもいいでしょう。

ですが、そのゆえか商品の配給については厳しいものがあります。

ふつうのコンビニとはまた違った商品を販売しているので、なかなか流通をスムーズにさせることが難しいのですね。

そういった課題を解決できれば、独自の店舗を出店するペースも上がるかと思います。

これまでもローソンは出店加速を宣言しては、頓挫してきた。2005年5月、新浪剛史・元社長は当時28店だった店舗数を「3年後に300~500店体制」に引き上げると表明。2013年には玉塚元一・前社長が「5年間で3000店体制」という目標を掲げたが、出店のスピードは一向に上がらなかった。結局、2017年7月末時点での店舗数は144店にとどまる。

商品面のハードルが高い?ナチュラルローソンはなぜ増えないのか – ライブドアニュース

加えて、ローソンは農家と一緒に協力して商品を作ることもあります。

例えば秋田の店舗では、地元の農業高校の生徒さんたちと地元の食材を使い一緒につくったベーカリーが買えます。福岡のローソン店舗では、「はかた地どり」を使用したその地域にしかないおにぎりが買える。

ar_2020.pdf

最近では、コロナのせいで販売機会を失った農産物をローソン店頭で販売したりしました。

地元でしか購入できないものは、お客さんに新鮮さを与えられますが、その商品を全国に展開させていくと考えると、なかなか難しいです。

まだ認識が広がっているようには見えませんが、差別化がうまくいった場合のことを考えると、セブンイレブンもローソンを無視できなくなるでしょう。

「ローソン」健康志向の食料

ローソンは、差別化戦略をとる上で、健康を意識している客層を狙っています。

実際に、「健康ブログ」という名前で健康に関する記事を書かれているのが、その証拠です。

健康ブログ|ローソン研究所

わかりやすいのが、低糖質のパンですね。ブランパンを始めとする低糖質パンは、健康志向のお客さんに大きく評価されているのが特徴です。

健康志向のお客さんはもちろん、事情があって糖質制限をされている方や生活習慣病の予防、ダイエットの取り組みなどをされている方にも購入される商品となっています。そのため、今でも低糖質のパンの商品のラインナップは増え続けています。

ローソン研究所の方でも、低糖質のパンについて紹介されています。

ローソンで「からだ応援カンタンごはん」!|ローソン研究所

関係ありませんが、私は最初に低糖質のパンを食べたとき、3袋ぐらい一気に食べたのを覚えています。

他にも、グリーンスムージーも一時期、流行りましたよね。

この商品は野菜不足の現代人にはもってこいのもので、いわずもがな、健康を意識されている客層向けに販売されています。

もともとはナチュラルローソンで販売されていましたが、最近ではふつうのローソンにも並べることになりました。

業態の差別化は上がいるからこその戦略になりますが、逆にいえば、そういったビジネスモデルをしているからこそ、コンビニ業界第2位として君臨しているのかもしれません。

特に、ローソンはいち早く独自のコンビニ形態にビジネスモデルを切り替えているため、一つの店舗が成功すれば真っ先に利益を勝ち取ることができます。

「ローソン」のスイーツ

ローソンは、健康志向の食べ物だけでなく、スイーツの開発にも積極的です。

特に有名なのが、「プレミアムロールケーキ」。2009年に発売され、大人気商品となったプレミアムロールケーキは、今なお新しいシリーズが販売されています。

加えて、販売されて約2週間で販売終了したという過去もあり、シリーズ累計販売個数は4億個ぐらい売れました。

まさに、コンビニ業界のスイーツに対するイメージを変えたのですね。

プレミアムロールケーキの販売過程については、「ひみつのローソンスイーツ開発室 (コミックエッセイ) | ハトコ」にて漫画形式で説明されています。

もう一つ有名なのは、「バスチー -バスク風チーズケーキ-」ですね。このバスチーについては、面白いマーケティングがあります。

本来、ローソンといえば、青と白のマークが基本です。

これがローソンのトレードマークです。

しかし、バスチーは黄色のパッケージが使われていて、とてもインパクトな見た目になっています。名前もただのバスク風チーズケーキではなく、あえてバスチーにしてすることで、SNS戦略を成功させました。

このようにローソンはスイーツのことがたびたび話題になりますが、気になるのはその値段です。

2009年に販売された昔のプレミアムロールケーキが税込154円だったのに対して、2019年に販売されたバスチーは税込215円と、約1.5倍も値段に差があります。

単純計算ですが、プレミアムロールケーキで計算すると、4億個 × 154円 = 616億円ぐらい売り上げていることになります。

一方、バスチーは6400万個 × 215円 = 137億6000万円ぐらい販売されているのですね。

バスチーは最近販売されたのでプレミアムロールケーキには及びませんが、売れた速度はバスチーの方が早いらしいので、これからが楽しみです。

これは、スイーツは150円前後と決まっていたコンビニのスイーツにとって、大きな衝撃を与えたと思います。なんといったって、少し高めでもここまでの人気が出たのですから。

これをきっかけに、ローソンだけでなく、ほかのコンビニでも300円のスイーツが出る可能性が高くなります。

コンビニのスイーツでもう一つ有名なシリーズがありました。それは、株式会社サークルKサンクスの「Cherie Dolce(シェリエドルチェ)」。

詳しくは株式会社サークルKサンクスの記事にて説明しますが、シェリエドルチェはファミリーマートとサークルKサンクスが経営統合した後、販売が終了しています。

このコンビニスイーツの強敵がいなくなったことも、ローソンのスイーツが流行りだしたことと無関係ではないでしょう。

しかし、その後周知の通りサークルKサンクスはファミリーマートに2016年9月に買収されて経営統合することとなり、それに併せて2018年11月29日に「シェリエドルチェ」ブランドも完全に消滅しました。その結果、「コンビニスイーツといえば…●●●」という、顧客需要を埋める企業が空白地帯となったという訳です。
そこで、その隙間を上手くついて、コンビニスイーツ需要を獲得したのがローソンです。

ローソンのスイーツから学ぶブランド・ポジション戦略 ~ 5FORCES分析でコンビニスイーツを考察 ~ | BRANDINGLAB – ブランディングラボ

ローソンのこれから

昔と今のローソン

今のコンビニ業界は、10年前や20年前よりも大きな変化がありました。

「近くて便利」はそのままですが、昔の「コンビニを出店すれば良い」という量の時代よりも「コンビニでおいしいものが食べたい」という質よりにイメージが変わっています。

逆に言えば、今までよりも事業を成長させることが難しくなりました。

そのため、私個人の感想を行ってしまえば、ローソンに限らず、コンビニ業界が急成長を遂げるのは難しいと思っています。

もちろん、ローソンが何もしていないわけではありません。

打開策として、ローソンにはローソンセレクトというプライベートブランド(略:PB)があり、今なお商品の開発は続いています。ですが、その製品すべてを大ヒットさせ、安定的な人気をとることは難しいはずです。

加えて、ローソンは良くも悪くも大企業なため、急成長を望むならヒット商品を多く売る必要が出てきます。

「ローソン」大ヒット商品の売上

もはやヒット商品を当てるだけではローソンの大きな成長を見込めないでしょう。

例えば、バスチーなどは大人気の商品で販売されて時間がたっていませんが、累計販売数は6400万個とかなり売れています。

この商品はSNSを意識して名前やパッケージが決まったり、ツイッターで発売記念としてリツイートキャンペーンが行われたりと、今の時代に即したマーケティングが行われました。

ですが、バスチーの累計販売数6400万個 × 値段215円 と単純な計算をすると137億6000、約140億円です。

確かに、大きな売上ですが、ローソンの2020年2月期の売上高が2兆5000億とみると、バスチーの売上は全体の1%も届いていません。(もちろん、バスチーだけと全体と比べるのはおかしいことですが)

他にも、スイーツの売上高構成比は約5%と、割合が少ないです。

現在、ローソン全体に占めるスイーツの売上高構成比は5%弱だという。その割合は大きくないものの、スイーツの購入者は一般的な顧客と比較して客単価が1.2倍ほど高くなるほか「スイーツは嗜好性が高く、来店動機の創出につながる」(坂本氏)という。

「バスチー」大ヒットに導いた! 群を抜く、ローソンのデザートマーケティング _小売・物流業界で働く人の情報サイト【ダイヤモンド・チェーンストアオンライン】

このことから、仮に一つの商品を大ヒットさせても大幅な業績アップは難しい、という結論になります。

ローソンの店舗数

今日本には、コンビニの店舗数が約55,000軒と飽和状態になっています。

1980年ぐらいの6000店舗数に比べれば、約10倍もコンビニが増えたのですね。

日本のローソンだけで説明すると、2021/2時点で、以下の地域に展開してます。

店舗数
北海道 679店舗
東北 1181店舗
関東 4733店舗
甲信越 541店舗
東海 1324店舗
北陸 396店舗
近畿 2541店舗
中国 853店舗
四国 618店舗
九州 1610店舗

合計で約14,000店舗のコンビニを構えています。しかも、この店舗数はローソンだけでなく、ナチュラルローソンやローソンストア100も含まれているので、かなりの数です。

都道府県別に見ても、ほとんどの都道府県が100店舗を超えています。そのため、今までのように、ただコンビニを新規出店するだけでは、いずれ行き詰る可能性が高いです。

そういった事情があるため、別ベクトルにコンビニを展開させていくのは悪い方法ではありません。

現に、セブンイレブンやローソンなどの大手コンビニと、売上高4位以下との差は少しずつ広がっています。

ローソンセレクトのパッケージ

ご存知の方が多いでしょうが、最近ではPBのパッケージが変更されて、賛否両論になりました。

SNSなんかでも「#ローソンpbに思う」のハッシュタグで、一時期話題になっていましたよね。

このデザインはオシャレではあるのですが、他の商品と判別できない、という不便さがあります。パッケージが別のものと似ているのでパッと見では商品がわかりにくいのです。

そのため、疲れているのに商品をしっかり見なければいけない、というデメリットはもちろん、

  • お客さんが違う商品を買ってしまった
  • 店員さんが間違えて別の棚に商品を置いてしまった
  • 冷蔵庫にあっても探しにくくなった

ということが起こる可能性がありました。(というよりも、前者に至っては実際に起きました)

つまるところ、不便になってしまったのです。

このパッケージ変更は1年以上前から取り組んでいたもので、680品以上に適用されるため、かなり大掛かりな変更ともいえます。

ですが、その話題がでた後、ローソン側がすぐに対応し、順次デザインが変更されて今ではかなりわかりやすいです。

ただ、ローソンの今までの取り組み(女性層を意識している)のことなどを考えると、このパッケージ変更も女性層を意識してのことなのでしょう。

彩度の低い肌色をベースにフォントも細めのもの、そしてシンプルな見た目は、あきらかに女性を意識しているデザインです。

現に、賛否両論が起きた後に再度パッケージの変更がなされましたが、ベースはそのままに、リニューアルされています。

他にも、2021年6月においては、無印良品の商品をローソンで販売する、という戦略をとっています。

無印良品は女性の来店比率が多く、デザインもシンプルなので、女性を意識しているローソンからすれば、相性のいい企業です。

まだ一部店舗でしか販売されていませんが、店によっては、かなりの無印良品の商品が並べられている、とのこと。

ですが、見方を考えれば、パッケージを変更する、という点を考えても今はコンビニ業界にとって辛い時代だということが感じられます。

今の日本ではコンビニがよくあるもので、むしろ、生活のインフラとしての機能が求められているのも考えなければなりません。

成城石井を買収

また、2014年に高級スーパーと呼ばれている成城石井を買収し、その商品をローソンで売り出す手法もはじまりました。これも、新しい客層を取り込もうとしているのが見て取れます。

成城石井の売上高の構成比は15%と、多くはありませんが少なくもありません。利益率では、国内コンビニを抜いて10.2%と、高い利益率をほこっています。

店舗数は154店舗とまだ出店ができそうです。

ローソンの取り組み

他の取り組みについても、セルフレジの導入やウーバーイーツとの連携など、コロナ後のライフスタイルを中心に整備を整えていますが、それだけで急成長を期待することは難しいでしょう。

打開策として、海外出店があげられます。

ですが、どんな業界にもいわれている通り、グローバルなビジネスはうまくいかないことが多いです。なぜかというと、今まで日本でうまく行っていた方法が海外でも通用する、ということが少ないからなんです。

まとめ・ローソンのチャレンジ

ここまで説明しましたが、やはりローソンはチャレンジ精神が強いです。

セブンイレブンを意識しての事なのか、それともコンビニ業界の先行きが不透明だからか、分かりませんが、ローソンとしてのあり方を意識している感じが強いです。

ここからは私個人の感想なのですが、ローソンは値段が高めのお店、としてこれから商売をするのではないでしょうか。

今までの取り組みにおいても、

  • PBのパッケージの大幅な変更
  • バスチーと言う200円台のスイーツ
  • 成城石井の買収
  • 無印良品の商品の販売

と従来のコンビニではしないような方向に舵を切っているように思えます。

パッケージの大幅な変更はもちろん、バスチーにおいても、今までコンビニスイーツの値段が100円から200円台がふつうであったことを考えると、新しい取り組みです。

成城石井は高級スーパーとして有名ですが、無印良品の値段も高いものが多いです。

そして、シンプルでオシャレなパッケージとなると、「値段は少し高いけど、おいしくて便利」というコンセプトに走っているのではないかと思います。